マンションへの不動産会社のポスティングチラシで、よくある『○○マンション限定のお客様がいます!予算は○○○○万円です!』という有名なチラシがあります。なぜ、そのようなチラシを入れるのでしょうか?また本当なのでしょうか?
皆さんからよく聞かれることをお答えしたいと思います。
目次
1、なぜこのようなチラシを投函するのか?
2、本当なのか?
3、高く販売したいときはどうすればいいのか?
4.まとめ
1、なぜこのようなチラシを投函するのか
当社の営業地域である、大阪市中央区・西区でもこのような投かんチラシはよく入っており、私が把握しているだけで、8社がそのようなチラシを定期的に投函しています(ほとんどの会社の内情を知っています)。それに加え数年前から大手の不動産業者もマンション限定!というチラシを入れています。
なぜかと言うと、
①売主様の『高く・早く売りたい』という願望を刺激するため
②業者としての強みが薄い
③結構反響が取れる
この3点が主な理由で、やはり高く売りたい、という売主様の心理を突いたチラシですね。高く買うお客様がいるなら紹介してもらおうという、売主様としても当然そうなるんです。そのために作っています。
不動産業者は自社に強みが無く、手っ取り早く反響を取りたい場合にこのチラシを使います。自社の強みを生かした事業をしている業者はそれをしなくても売却物件はあります。
売主様の興味を引き、問い合わせをいただくことを優先に考えるとやはり『限定客がいます』という文句は効果的ですよね。そして、本当に反響があるのです!だからやめられないんですね。
2、チラシの内容本当なの?
端的に答えると、ほぼすべてが嘘です。なぜ分かるんだ!と言われそうですが、恥ずかしながら私も雇われていた時にこういったチラシを配らされていました。とても苦痛でしたがおかげで裏側のノウハウがわかりました。
「本当かな?」と思って問い合わせてみるという方が多く、その問い合わせに対する応酬話法などの完璧なマニュアルがあり、電話をかけるとほぼ9割の確率で訪問査定に行き、行けば8割の確率で媒介契約を交わすマニュアルがあります。
その手法はもはや伝統芸になっており、あまりに媒介契約が取れるので、そういう会社で勤務していた社員が独立して開業しても同じ手法を使っています。それゆえに大阪市中央区ではたくさんの業者がそのやり方をしています。
だから皆様のポストにもいろいろな業者から毎日そういったチラシが入っているのです。残念ながら、現在もたくさんの売主様が引っ掛かり、売れ残り物件となっています。
すべて、元をたどれば一つの業者から始まったノウハウで、30年以上も続いています。そういう業者は一事が万事嘘を言い、契約後の販売活動の報告や商談の進め方まですべて嘘を言う傾向にあり、結局売主様が損をするような契約になることも多いのです。
また、高い金額で販売することが多いので、半年以上たっても売れなくて売却中止になる場合も多く、それを見越して3~4件媒介契約を取れば、1件は売れるという具合に、半分以上は売れない前提で活動もせず、売れる見込みのある物件だけ力を入れて販売します。
そういった会社で働いている営業マンが一言、「もし自分が不動産を売るときは自分の会社には絶対に依頼しない!」と言っていましたが・・・これが現実に起こっていることで、そういった会社はいつも皆さんのポストにチラシを入れていますよ。
3.高く販売したいときはどうすればいいのか?
売主さんとしては高く売りたいからこそ、そういう業者に連絡してしまうのであって、良い担当者であっても査定金額の低い業者には任せたくないですよね。
そこでアドバイスですが、良い業者の良い担当者に出会ったらその方に希望金額で販売してもらうようにお願いすると良いでしょう。
「高いとは思うけど、○○○○万円で販売を始めてください!」というと、意外と快諾してくれますよ!そしたら良い業者で高めの金額設定で販売が可能です。
そして、一定期間たって売れなければ価格を変更する必要はありますよ!
4.まとめ
インタネットが完全に普及し、購入者が物件を探すときはスマートフォンで簡単に検索出来てしまいます。特定の業者だけに物件探しを依頼することはありません。
ですが、皆さんは当社だけの『お客さんがいます!』のチラシに引っ掛かってしまうんですね。本当に悲しいことであり、業界の自浄作用を信じたいことろですね。
良い不動産屋さんは私が知る中でも何社かあります。そういう業者さんに皆様が出会い、ご売却が成功することを切に願っております。